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高井 静霞; 島田 太郎; 武田 聖司; 小池 克明*
情報地質, 32(3), P. 95, 2021/09
GEOINFORUM-2021における発表「地下水流動を考慮した地球統計学的手法による汚染濃度分布の推定」が評価され、2021年度日本情報地質学会奨励賞を受賞した。今回の受賞に関する所感を同部会誌に寄稿する。
中安 昭夫*; 道家 涼介*; 新里 忠史; 卜部 厚志*; 小野 映介*
情報地質, 25(4), p.189 - 203, 2014/12
地形及び地質調査で得られる種々のデータには、様々な種類と程度の不確実性が含まれる。このような不確実性を含むデータを利用して地質環境をモデル化しシミュレーションを実施した場合には、当然のことながら利用されるデータに含まれる不確実性がそれらモデルやシミュレーション結果に含まれることとなる。特に、地質環境の長期的な変遷を記述したモデルには、モデル構成要素の空間配置とパラメータに加えて、それらの時間的な変化に係る不確実性も含まれることとなる。本研究では、地質環境の時間変化を記述したモデルで利用されるデータのうち、隆起速度の算出結果について、階層分析手法の一つであるEvidential Support Logicを北海道北部の幌延地域における実際の調査事例を対象として適用し、不確実性の発生要因や利用されるデータに依存した不確実性の程度を分析した。
新里 忠史; 安江 健一; 道家 涼介*; 中安 昭夫*
情報地質, 25(1), p.3 - 20, 2014/00
地質環境調査において、専門家は経験を通じて獲得した様々な経験的な知識を利用し、多分野にまたがる多量の地質環境データを取得・処理し、解析する。そのような専門知識の共有利用と継承を進めるためには、調査の様々な場面で利用される専門知識を抽出し、第三者が利用可能な形式で表現するといった知識の表出化が必要と考えられる。本研究では、知識工学的手法により、地形発達モデルの構築に関する地質環境調査のうち、隆起速度の算出に関する調査・解析を事例として知識の表出化を実施した。その結果、同調査・解析における作業(タスク)の流れを区分したタスクフローを構築し、各タスクで利用される専門知識を意思決定プロセスのフローダイアグラム及びルール・ベースの形式により表現することができた。今後は、IT技術を利用したエキスパートシステム等を構築することにより、表出化した知識の共有利用と継承を進めていく必要がある。
小池 克明*; 内山 恭輔*; 小出 馨
情報地質, 23(2), p.68 - 69, 2012/06
熱水変質帯は、大雨によって地すべり等の地質災害を引き起こすとともに、金等の金属鉱床の成因とも関連しているため、防災や資源探査においてその分布形態の把握は重要である。本研究では、熱水変質帯に起因する土壌の化学的性質や土壌水分量の差異によって生じる植生異常部を抽出するため、植生の水ストレスに感度が高い可視域の緑色及び中間赤外域を用いた新規の植生指標VIGSを開発した。本植生指標の有効性を確認するため、LANDSAT TMデータを用いて地すべり地帯(八幡平)及び金鉱床地帯(菱刈鉱山)において、植生異常部の抽出を試みた。その結果、地すべり地形や金鉱化帯に関連する熱水変質帯に対応する植生異常地点の分布を捉えることができ、本植生指標の有効性を検証できた。
鐙 顕正*; 天野 健治; 小池 克明*; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸
情報地質, 22(4), p.171 - 188, 2011/12
岩盤中の破砕帯を伴うような断層は、岩盤の物性や力学的・化学的特性,透水性に強い影響を及ぼすことが多く、地下の地質環境や地盤の工学的性能を評価する際の重要な要素の一つと位置付けられている。しかしながら、ボーリング孔による調査ではさまざまな制約により、常に同じ品質や量のデータが確保できるとは限らない。また、地質条件、あるいは地質技術者の能力などの諸条件によって断層区間の評価結果が異なる可能性がある。このような評価結果の差異は深部地質環境を空間的に理解していく過程での不確実性の増大につながり、その後の調査計画立案時における適切な意思決定を難しくするだけでなく、直接的な施工のリスク要因にもなる。そのため本研究では、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所用地内における深層ボーリング調査データを用いて、使用する変数を明確な基準で選択したうえで、多変量解析(主成分分析及びクラスタリング)を適用した。その結果、客観的な基準により、岩盤を高精度で区分し、断層区間を適切に判定できるようになった。これにより、一つの調査項目のみに注目した従来の解析に比べ、多種情報を一度に扱う多変量解析は有効な手法であることが実証された。